標高800mの山の斜面。電気柵で囲った枝豆畑で作業をしていると、木々の声が聞こえてくるような気がしてきます。
動物の声や鳥の声ではない、木々のざわめき。生き物たちの声。
大事な枝豆を獣から守るために、四方を電柵で囲って、上部にはネットを張って、その中での作業。
枝豆を守るためには仕方ないのだけれど、こうやって写真で見ると、どうみても不自然な光景です。
昔はこんなことをしなくても収穫できたのに。
自然の中にいながら、不自然なことをしている感覚。
そんなモヤっとしたものを感じていた折に
「多様性~人と森のサスティナブルの関係」池田憲昭 著
という本に出会いました。
コロナ禍の2021年のことです。
少し長文になりますが、私のもやもやにグッと刺さった部分を引用します。
↓
”植物は、光や水といった外的刺激に単純反応する「マシン」ではない。
繊細な知覚能力、多様なコミュニケーション能力、記憶・学習能力、問題解決能力を持った「生き物」であることが、近年の革新的な研究で、より明らかになっている。
尊厳を持って扱うべき存在であり、私たちの生存を多面的に支えている、欠かせない支援者だ。
菌もウイルスも、バクテリアも植物も動物も、すべての生物は、意思と知性(もしくは感情)を持ち、絶え間なく「生」を探し、開拓する創造者である。
個々の生物は、自然という枠組み条件のなかで、自然の変化に合わせ、行動を変えたり、もしくは自分の体や機能を変容させたりすることで、「生」の道を開拓してきた。
しかし、人間という生物種だけが進化の過程で、自分たちのイメージに基づいて、生活の枠組み条件である自然環境を大きく変える。(中略)
自分たちが自然の一部であり、自然に依存している、生かされているという生物界の大原則を無視するようになった。”
この本との出会いをきっかけに、枝豆だけを見ていてはいけないという思いに駆られ、オンラインで池田さんのセミナーを受講しつつ、人と森(自然)の関係について理解を深めていきました。
そうして2023年。
これを加速する新しい出会いがありました。
続きは次回に。
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